一番ったら一番

今日は、あれじゃないですか、

バレンタインデーじゃないですか。


チョコ買って早く帰らなきゃ

と帰ろうとしたわけですよ。

すると猪口さんが呼び止めたわけですよ。



「残業つけていいからこれ見てくれる？」



あら、珍しい。

使えない部下代表のわたくしめに仕事のことを聞いてくるとは。



メールを読む。

ふむふむ。



「これでいいと思います。
　
　でもあれですよね、これってお客さんが納得しますかね。」




猪口さん「うーん」



「別に私たちは構わない話しですけど、

　ゆくゆくは『なんでこんな時間かけてこれだけ？』

　って話しになりませんかね」



猪口さん「…」



「先々を考えると

　この打診って自分の首絞めることになりませんかね？」











猪口さん「そこまでクライアントは考えさせてくれないから。

　　　　　いいわ、ありがと。」






























終了ー

ふっざけんじゃねーよ、

とおもったっ瞬間、



ちっ



と舌打をしてしまいました…。




超焦って舌打じゃありませんよ感を出しましたが、

とき既に遅し。




「ごめんね、呼び止めて」



とびみょーーーーな空気が流れる…。


逃げるように帰ってきたよ。

もう嫌だよ、アノ人。





一体、私に何を言って欲しかったんだよ、

言って欲しい言葉があったんだろうよ、

アイディアやアドバイスが欲しかったんじゃないんだよ、

うんうん、はいはい、聞いて欲しかっただけだったんだよ。





…そう、

いつも私は後からそう思う。

アノ人は基本、スルーと言ったではないか。



私ってほんとにバカだわ。









その帰り、

トボトボ歩いてチョコを買いに行った。

落ち込んでんじゃねーと。

たかがオデブの女1人に、

ヤラれてんじゃねーと。

つぶやきながら。

思い切って5000円くらいのチョコを購入していこうと。

いやもっと高額なものをと。

ふざけんじゃねーと。

私は幸せなんだと。

オマエはあんなおでぶに振り回される人間かと。

200％私を認めてくれてる人がいるんだぞと。

それなのにオデブのいう事に

オマエはいちいち敏感に反応して弱弱しくなるのかと。

おでぶにはこんなに想ってくれる人がいるかと。

いやいねーだろ。

いたっておかしくないんだろうが

きっといやまちがいなく私のほうが幸せだと。







そして購入。










3150円

勢いヨク「これください」と5000円のものを指挿したはいいが、

財布に4000円しかなかった…orz

銀行に行こうと思っていたのに

オデブのことをぐちぐち考えていたら

忘れた…。

でもダンナ様は喜んでくれる。

いいじゃないか値段じゃない。



そう思ってJRに乗る。

激混みで女子高校生に押され、舌打される。

駅に着いて外に出ると猛吹雪。

紙袋を抱えて家まで徒歩。

家に着いたときには何もかもずぶぬれ。







そこには、

満面の笑みでダンナ様。

チョコレートを喜んで頬張るのでした。



私はやっぱり世界一幸せだ。